電源オンの時のガリガリ音を解消する方法

この機種に限らないでしょうが電源スイッチを操作した時にスピーカーから大きなガリガリ音が出ます。
これがどうしてもきになるので何とかしたい 所謂ミューティング回路を付加する訳ですが どんな回路が良いか解りません。
そこでこのガリガリ音が出る理由を考えてみたらどうやらオーディオ回路出力線に直列に入っている大容量のケミコンが曲者
ではないかと。
電源の入り切りの時に充放電電流が流れてスピーカーを鳴らしているに違いないと見当付けました。
それなら充放電電流を流さないか他に逃してやれば幾らかは改善されると言う訳で 常時スピーカー端子をショートしておき
電源スイッチの入り切りに応じて動作するリッレー接点で開放すればOKの筈です。
幸いな事にFT-ONEには電源スイッチをONしなくても常時通電されている小容量の電源がありメイン電源の入り切りのリレー
を動作する電圧となっています。
そこでこの小容量の直流電源(約12V)をミューティング回路の電源として スピーカー線を短絡しているリレーのON/OFFを
制御すれば良い筈であると考えて次の様な構造としました。

左側のリレーはメイン電源の制御用でこれをAC POWERスイッチで
入り切りしています。
その為にあるDC12Vが常時通電の直流電源で別電源に
なっています。
ミューティング回路です。
何の変哲もない回路ですが確実に動作させる為には直流結合でなくてはなりません。
何故ならばC結合やFF回路を経由したら電源投入時の状態が安定しないからです。
動作説明は不要な位ですが念の為に簡単に書いておきます。
DC12Vはメインの電源のオンオフ関わらず常時生きていますから最初はC1815はオンでC373がオフ その為オーディオラインがNC接点でアースへ落ちています。
AC POWERをオンすると機器にAC100Vを供給すると同時にC1815がオフし33uFゆっくり充電されC373がオンする電位で右側のリレー接点が オープンとなりオーディオラインが生きてスピーカーが鳴る状態になります。
AC POWERをオフすると33uFの電荷はD2を介して速やかに放電しスピーカーラインが再びアースへ落ちる これを繰り返します。
この回路を接地する事により電源の入り切りによるガリガリ音は激減し殆ど聞こえない状態になります。
ミューティングボードの設置状況です。
緑色のコネクタがAFユニット。

下の方にある黒いキャラメル状の部品が裏返して取り付けてあるミュート用のリレーです。部品名はNR-H5Vで突入電流に強い品番です。
左側にある長方形のものが万能基板に上記の回路を組み込んだものです。
この基板の取り付けには少し太めの錫メッキ線二本で本体の束線に絡めて簡易的にしていつでもオリジナル状態へ戻せる工夫をしています。
尚 この機種は底面側のスペースが少ない(浅い)ので余計な部品が取りついていると厄介ですから要注意です。